ライトノベル とらドラ5! レビュー

とらドラ 5 (5) (電撃文庫 た 20-8) タイトル とらドラ5!
著者 竹宮ゆゆこ
イラスト ヤス
出版 電撃
発売日 2007年8月


執筆者:jade 評価:
夏休みもあけて、文化祭の季節。
クラスの演しものやミス・コンテストのクラス代表の選出を巡り、2−Cは相変わらずの大騒ぎを繰り広げる。
そんなある日、大河の父親が現れ、「大河と一緒に暮らしたい」と竜児に告げる。また実乃梨と亜美も、夏の別荘以来、微妙な変化を見せはじめ───
それぞれの思惑が交錯する文化祭を描いた大人気ラブコメ第5弾!

巷では高い評価と厚い支持を受けているこのシリーズ。
実を言えば、主人公とヒロインがそれぞれ別の異性を好きなこと、それに加えてお互いの想い人がそれほど魅力的に思えないこともあって、私の評価は決して高くなかったんですよね。
普通のラブコメだったら、お互いのことを異性として意識していくような出来事を経ても、一向に恋愛感情に発展する様子がないところも大いに不満ですし、ラブコメ作品としては落第だと思ってました。
この5巻でもその傾向は変わらず、不満な部分は不満のまま残り続けているんですが、その減点要素をあっさり吹き飛ばすくらいシナリオが素晴らしかったため、このシリーズでは初めてA+の評価を付けちゃいました。

今回は大河と父親の関係を軸にストーリーが進んでいくため、ラブコメ分はいつもより少なめなんだけど、竜児と実乃梨の大河への強い想いと絆の深さが、それを補って余りうる感動を与えてくれますね。
特に文化祭の最後を飾るミスターコンテスト、最後の直線での竜児と実乃梨のデッドヒートが熱いのなんの!意地と意地とのぶつかり合いから、勝つために瞬時に共闘に転じる件は最早ラブコメではなく、古き良き少年漫画のノリそのもの。
ラブコメも好きなんだけど、やっぱり友情を前面に押し出した作品はそれ以上に大好きだー!!!!

これまでどうしても好きになれなかった実乃梨ですが、今回の件で大きく株が上昇しましたね。
ただし、ヒロインとしてではなく、“漢”としてですが(笑

ヒロインの中では、ばかちーこと川嶋亜美が依然として一番好きかな。
登場シーンが多い割りにストーリーの根幹には関わってこなかったのですが、ひと夏を経て成長した姿を存分に見せ付けてくれましたからね。
特に印象的だったのがこのセリフ。

「あたしは、川嶋亜美は、高須くんと同じ地平の、同じ道の上の、少し先を歩いて行くよ」

竜児を巡る人々の相関関係を的確に把握した上で、自分がどの道を辿るべきかを察し、それを実践する姿から、少女から大人の女性へと羽化する姿が感じられ、自然と胸が高鳴りました。
やはり亜美が今後の関係に変化をもたらすキーパーソンになりそうですね。

竜児と大河の関係は、最早肉親のそれに近く、恋愛関係に発展するのは難しそうだけど、やっぱりベストのカップリングはこの二人だと思っているので、何とかくっつけてほしいなぁ…
当分二人の仲に進展は望めないとしても、今回の件で確実に何かしらの変化は現れるはずなので、次回の大河の態度が非常に楽しみです♪


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